【記事】能登で「ていねいな復興のためのプロジェクト」が始動

JICA北陸と株式会社ひとまちの共催で、能登半島地震復興を目的とした「ていねいな復興のためのプロジェクト」がスタートしました。震災からの復興には、多くの対話や話し合いが必要になります。その話し合いを丁寧に、着実に進めていくためには、話し合いの技術(ファシリテーション)が求められます。
2025年5月25日と6月15日、ファシリテーション体験会「話し合いがうまくいく『みんなでファシリテーターになろう』」が、石川県珠洲市の本町ステーションで開催されました。

第2回の様子(珠洲市・本町ステーション)

ていねいな対話のプロジェクトがスタート

講師は、ホワイトボード・ミーティング®認定講師で東京都在住の横山弘美さん。両親が石川県出身で、2018年からは毎年、同県内の小中学校でファシリテーションの普及を行ってきました。2024年1月の能登半島地震を機に、ボランティア活動にも尽力。そのご縁からプロジェクトの実現に至りました。

講師の横山弘美さんと参加者

体験会には、さまざまな立場で能登の復興に関わる方々が参加。まずは「聞く・話す」ことの大切さを、体感してもらうことから始めました。ミニホワイトボードを使って、能登のおすすめスポットやおいしいものなどを紹介し合いました。互いにじっくり聞き合うことで、笑顔あふれる和やかな場に。

後半は「復興とファシリテーション」について話し合ったり、会場である本町ステーションのイベント企画について考えたり、それぞれの回で個性豊かなアイデアが出てきました。参加者から思い思いに寄せられた意見は、ホワイトボードに次々と書き出され、会場を訪れた方々も注目している様子でした。

和やかな雰囲気の中、たくさんのアイデアが

横山講師は「過疎化や少子化が深刻な中、大きな災害に襲われた能登地域。今後日本のあちこちで、同じようなことが起こると思います。『能登の未来は、日本の未来』。そう心に刻んで、人とまちが元気になる話し合いの場を作っていきたい。ファシリテーションがあれば、困難に直面しても必ずうまくいくと信じています」と語っています。

参加者の声

・自分の視野の狭さを実感。オープンクエスチョンを使うと、相手の話をもっと聞けると思いました。
・ファシリテーションで課題を解決できると感じました。
・自分の中のやりたいことが見えて、対話の練習にもなりました。
・無料でこんなことを学ぶ機会があって、ありがたい。
・自分の中のやりたいことが見えました。対話の訓練にもなりました。
・ファシリテーターが重要なのは分かっていましたが、聞く側の姿勢も大切だと初めて知りました。
・オープンクェスチョンを用いて、相手を誘導しないという視点は目から鱗でした。
・相手の聞き役に徹するというセッションが特に印象深かったです。普段の会話の中でも、意外に相手の話を聞けていなかったかもしれないと思いました。

JICA能登町デスク・中谷なほさん
今回は、地元高校生とお母さんの親子や、区長、支援団体、教員など、様々な参加者がありました。このスキルが、皆さんの困りごとやチャレンジしたいことに取り組む際、実際に役立つようになればうれしいです。

今後の予定

「ていねいな復興のためのプロジェクト」では、こうした体験会のほか、「能登ファシリテーター育成プログラム」として「ホワイトボード・ミーティング®ベーシックセミナー」も計画。参加者の募集が始まっています(無料)。ファシリテーションを広げることで、能登の復興を進めていきましょう。
詳細はこちら:https://wbmf.info/category/seminar/area/ishikawa/

シェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次