【記事】糖尿病の療養指導とホワイトボード・ミーティング®︎(第31回)田口郁美さん

ホワイトボード・ミーティング®︎を学び始めて、これは栄養相談にも使える!と直感しました。私の前に現れる患者さんはドクターに言われ「仕方なく来る人」が少なくありません。「栄養指導など受けたくない」「厳しく怒られるのは嫌だ」と思いこんでいる方もいます。私はその「先入観をなんとかしたい」と普段から模索していました。平成30年4月、ホワイトボード・ミーティング®︎を始めてすぐのことです。糖尿病の60代の女性が、栄養相談に来られました。「数値が下がらなくて」と話されたのでホワイトボード・ミーティング®︎質問の技を使い、話を深く聞いていくと「仕事しているから結構いろいろあるのよ、毎週飲み会だし」「お酒飲むと食べちゃうのよ。だから普段は野菜から食べたり、コマーシャルの時は運動したりしてるのよ」と、日常の様子を教えてくれました。私はそのまま紙に書いていきます。「この1ヶ月、どうしたいどうなったら良いと思いますか。」と問いを立てると、「ヘモグロビンA1cをまず7.4%。食事は野菜から食べる。運動についてはジム30分」と、ご自分で目標立てられて、「今日お話しできて良かったわ。その紙ちょうだい」と嬉しそうに持ち帰られましたた。その笑顔に、これが「エンパワーする糖尿病の栄養相談」だと確信。さらに探究を深め、現在に至ります。

 

ホワイトボード・ミーティング®︎勉強会での様子

(認定講師リレーエッセイ第31回 2021年3月16日)

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