「これ、いいじゃないですか! 今度から、行事の準備に使いましょうよ!」。ひとりの職員が言った。職場で実施したホワイトボード・ミーティング®︎研修。「役割分担会議」の振り返りの時だった。他の職員からも同様の声が多く挙がった。ここは生活介護事業所で、日常的に介護を要する障がい者に、入浴、排泄、食事の介護や創作活動、生産活動の機会を提供している。研修後、議事録をホワイトボードに書き出す習慣は定着したが、会議フレームを使うことはほとんどなかった。そんなある日のミーティング。主任が「夏祭りの担当者を決めたい」と議題を振った。すると「行事の役割分担はホワイトボード・ミーティング®︎でやるんじゃなかったでしたっけ?」との言葉。ついに「役割分担会議」が始まった。行事は1〜2名の担当者に任されていたが、この日から全員に役割が分担され、夏祭りに向けて行動を始めた。数回の研修で、すぐに定着・活用するのは難しい。それでもゆっくり、少しずつ、スモールステップで進めばいい。まずは職員間のコミュニケーションが向上し、そこから利用者や家族の支援に繋がっていけばいいのではないか。そう思った瞬間だった。
(認定講師リレーエッセイ第82回 2023年8月22日)
「役割分担会議」のフレームを実践!