【記事】「心の体力」の温かさ 子どもたちに伝わる環境を(第50回)

 

 

 

 

 

 

「心の体力」の温かさ
子どもたちに伝わる環境を

     

田尻 貴久

(社会福祉法人 みどり園)

 

 

 

私は、児童養護施設で家庭支援専門相談員として働いています。この仕事は、子どもと家族の橋渡し的な役割です。と同時に、若手職員の人材育成にも携わっています。子どもたちの生活を支え、楽しみも多い反面、悩みを抱えながら日々向き合う現場職員に対して、「あなたのための定例進捗会議」をしています。面談したAさんは、子どもとの関わりに自信が持てず、「心の体力」も冷たくなっていました。初めは言葉にするのもつらい様子。ホワイトボードを前に、一つ一つ丁寧にAさんの言葉を承認し、収束では「良かったこと」を多めに。自分では見つけられなかった「良かったこと」を私が伝えたり、一緒に探したりすることで、次第に自分でも見つけられるようになりました。その頃には、自信を持って子どもと関わる姿を見せてくれて、とても嬉しくなったことを覚えています。職員の「心の体力」の温かさが、子どもたちにも自然に伝わっていく。そんな環境を作っていきたいと思っています。

(認定講師リレーエッセイ第50回 2022年2月7日)

 

 

人材育成にもつながるホワイトボード・ミーティング®︎