自分の命も友達の命も大切にしよう
〜奇跡の確率から学ぶ話しあい〜
深雪の新潟県上越市。平成29年1月17日、末広小学校では「すこやか会議」が開催されました。毎年、養護教諭を中心に企画されるこの会議は、3年生以上の子どもたちと教職員、保護者、地域住民が集まって心や体の健康について考えます。あと48日で閉校を迎えるこの日は、みんなにとって特別な「すこやか会議」になりました。
大切な命について学ぶ
会議は、県内で性教育や命の授業を続ける瀧澤ミチ子さん(ひこう船の会・代表)のお話からスタートしました。テーマは「大切な大切な君たちへ伝えたい あなたの命のお話」です。「3億分の1の競争を勝ち抜いて生まれた自分の命」「だから生きているだけで100点満点」「でも、病気で生きられない命、いじめで失われる命もある」「人にはいろいろな違いがあるし、だれもが完璧じゃない。だからこそ助けあおう」「それには、優しい心が一等賞だよ」奇跡の確率で生まれてきた自分の命に驚く子どもたち。スライドや模型を使っての説明は、とてもわかりやすく届きました。
全員でホワイトボード・ミーティング®
お話のあとは、子どもと大人のグループにわかれて感想交流です。瀧澤さんからの学びを対話で深めます。同校教諭でホワイトボード・ミーティング®認定講師の甫仮南欧美(ほかりなおみ)先生が全体の進行を担当します。
発散「お話を聞いてどうだった? 心に残っていることは?」
収束「その中で特に大切だと思うことは?(いくつでも)」
活用「これからどうしたい?どうなったらいいと思う?」
9つのグループにわかれた子どもの話しあいは5、6年生16人がファシリテーターとして進行しました。授業でホワイトボード・ミーティング®に取り組んできたので、3、4年生の意見も上手に引き出しながら、ホワイトボードに書きためます。7つのグループにわかれた大人の話しあいは、同校の教職員がファシリテーターとして進行しました。一昨年より授業の研究協議会にホワイトボード・ミーティング®を取り入れてきたので経験もバッチリ。保護者や地域住民と思いを伝えあいました。
新しい学校でもありのままの自分で
企画を担当した阿部睦子養護教諭は、「子どもたちの話しあいは想像以上でした。性教育がベースなので話しにくい部分もあるかなと思いましたが、日頃は伝えにくいお父さんやお母さんへの感謝の気持ちも、ありがとうの言葉で広がっていきました」と、子どもたちの学びが深まる様子に感動。大人グループで自らもファシリテーターをつとめた中野英康校長は、「自分の子、その友達、そして新しい統合校で出会う子どもたちも、みんな大切なかけがえのない命だと保護者や地域の方と確認しあう場になりました」と手応えを感じました。
話しあった後はランチルームへと続く廊下がホワイトボードロードに変身。ギャラリーウォークをしてみると参加者全員の意見が並んでいます。「生まれてきて良かった」「命を大切にしたい」。その言葉は「4月からもありのままの自分や友達を大切にしてほしい」と願う先生や保護者、地域住民の願いに対する子どもたちからの返歌のようでした。