【記事】対話がある場所に居場所ができる(第79回)畑中信乃さん

難病でベッドから動けない私の景色は、関わってくれる人達で彩られています。たくさんの人に支えられて、色とりどりな景色ではあるけれど、そこにあるのは「お世話になる私」でした。コロナ禍でzoom開催となったホワイトボード・ミーティング®のセミナーに参加した時は、寝たきりになって初めて社会に出た瞬間でした。たくさんの人と出逢い、一人の人として存在できる喜びは、目の前の景色を鮮やかにしてくれました。そして、ホワイトボード・ミーティング®で感じた対話の力。相槌と共に可視化される自分の言葉達が、頭と心の中をすっきりと整理してくれる感覚でした。定例進捗会議では「どうしたい?どうなったらいいと思う?」と聞かれる度に、チャレンジしたい気持ちが湧いてきます。気が付いたら、通信制大学の編入や国家試験にチャレンジして念願の社会福祉士になることができました。ホワイトボード・ミーティング®で実感した「ありのままを承認される空間」は、心地よい居場所になり、前に進む力をもらえるということ。次の夢は、私も対話の力で同じような立場の方達の居場所を作ることです。

(認定講師リレーエッセイ第79回 2023年6月9日)

オーバーテーブルに、パソコンやタブレットを設置してオンライン参加

京都新聞夕刊(2023年5月17日)掲載記事

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