【記事】豊かな学びが育まれる土壌づくり〜公民館の役割〜(エッセイ7)

 

 

 

 

豊かな学びが育まれる土壌づくり〜公民館の役割〜

     

泉森奈央
(奈良市立二名公民館 館長)

 

「学習計画を立ててください」「地域課題を挙げてください」。10年前の私は、公民館講座や会議でこんな風に進めていました。いきなりの問いかけに戸惑う参加者。上手くいくこともありましたが、たいていの場は凍りつきます。今となっては、泳げるかどうか分からない人に「25Mクロールで!」と準備体操もなく突き落とすような行為でした。おそろしや…。

たくさんの失敗を経験して辿り着いたのが、ホワイトボード・ミーティング®。ファシリテーションを学び始めてから、明らかに講座や話し合いの質が変わりました。特に感じるのは講座が終了した後も、参加者同士の関係が続くようになったこと。充実した時間を共有すると、お互いがもう一度会いたいと思える。地域にとっては、それが宝になります。学びや話し合いの結果をひたすら求めていた以前の私には、見えていない事実でした。
公民館の職員がファシリテーターだと、学びの種がしっかり根付き、花を咲かせる豊かな土壌が育まれる。一人ひとりが力を出しやすい環境づくりを目指し、職員や地域の方と力を合わせてチャレンジを続けます。

 

地域の話し合いにもミニホワイトボードを活用

 

 (認定講師リレーエッセイ第7回 2020年9月22日)