【記事】対人援助職の土台はファシリテーション(第97回)

 

 

 

 

 

対人援助職の土台はファシリテーション

     

福井 梨恵

(五稜・上牧地域包括支援センター/
認知症地域支援推進員)

 

電車で自然に席を譲る人を見て「かっこいい」と憧れた中学時代の経験が、福祉に進むきっかけになりました。現在は、認知症に関する相談や啓発が主な業務です。

認知症は、一度獲得した認知機能が低下し、記憶障害や計画実行が難しくなる病気です。その変容への理解が大切になります。以前「デイサービスで大声を出す高齢者をどう説得したらいいですか」と、ご相談がありました。一緒に過ごしてみると認知機能は低下しても感性は豊かだから、「あなたを大事にしています」という姿を見せると落ち着かれます。また、毎朝、到着時には既に拒否が強かったので、家からの送り出しを支援すると、大声もなくなりました。説得では悪循環。相手を理解して適切な支援につなげる技術が求められます。

こうした対人援助の技術は様々にありますが、私の土台はファシリテーションであり、ホワイトボード・ミーティング®︎です。この土台があると対人援助が安定します。法人内に3人の認定講師がいるので、共通の土台をもつ仲間の存在も心強いです。これからも、現場の実践者として、また、講師として、ファシリテーションを学び、広げていきたいと考えています。

(認定講師リレーエッセイ第97回 2024年6月8日)

 

ファシリテーター仲間とともに